移動平均線とは、ある一定期間の価格から平均値を計算し、折れ線グラフで表したものです。FXチャートに限らず、テクニカル分析の中で最もポピュラーで基本的な分析手法です。字にしてみるとこんな表現になりますが、文字だけではどのような観点でチャートに活かして良いのか正直分からないと思います。と言う事で今回は移動平均線を掘り下げてご紹介をしたいと思います。移動平均線で始まり移動平均線で終わるなんて言葉もあり、初心者から上級者まで色んなトレーダーが用いてるテクニカル指標です。初心者の方ご覧になって頂きたいと思います。
移動平均線ってそもそも何よ。
移動平均線を活字でお答えをすると冒頭に書いた折れ線グラフと言うのが一番適当です。移動平均線を語ると長くなってしまいますが、移動平均線は世界のトレーダーの中でも最も親しまれているテクニカル分析手法なのではないかと思います。
移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスを元にポジションを決め事も出来ますし、レジスタンスやサポートにもなりうる為、そこでの売買を検討したりも出来ます。
移動平均線は「単純移動平均線(SMA)」「指数平滑移動平均線(EMA)」「加重移動平均線(WMA)」の3種類があり、移動平均線個々に平均値を算出する計算方法が異なっています。この3種類の移動平均線の特徴などもご紹介をして行きたいと思います。
とりあえずその3種類どういう線なん?
お答えしたいと思います。
単純移動平均線(SMA)
単純移動平均線、通称:SMAは「Simple Moving Average」の略です。一般的に移動平均線とこの単純移動平均線のことを指します。仮に20日移動平均線だとするならば、20日間の終値に1/5をかけて算出する移動平均線です。計算式を覚える必要性はありません。単純にこんな感じの移動平均線なんだなと覚えて頂くだけで結構だと思います。
指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑移動平均線、通称:EMAは「Exponential Moving Average」の略です。オシレーターのMACDなどにも理由されている移動平均線です。SMAは20日の平均値を取りますが、EMAは直近の価格を重視する為にSMAより動きが多少早いのが特徴です。単純移動平均線より複雑な計算方法を用いてます。
加重移動平均線(WMA)
加重移動平均線、通称WMAは「Weighted Moving Average」の略です。好みにもよりけりですが、利用をしている率はSMAやEMAより劣ってしまいます。知名度としても劣っているんじゃないかと思います。WMAは直近の価格を重視をし、徐々に減らす移動平均線です。すみません。個人的に利用をしていないので特徴がイマイチわかりません。
移動平均線のメリット
それでは移動平均線のメリットについて書きたいと思います。
メリットその①
移動平均線でレジスタンスとサポート、つまりレジサポがわかります。レジスタンスはチャートが向いている方向に対して反発や抵抗する力の事です。サポートは逆に向いている方向に対して後押しをする力です。一般的に天井圏のネックになっている部分や底値圏のネック部分がレジサポになりやすい部分と言われていますが、移動平均線そのものがサポートやレジスタンスになりうるパターンもあります。※下の画像でサポートやレジスタンスになっている箇所をピックアップしたのでご覧下さい。
※オージードルの3月末頃の4時間足チャートです。画像をご覧頂くと分かると思いますが、チャートの実体が120日移動平均線がサポートになり上昇しているのがわかります。逆に320日や600日移動平均線がレジスタンスになり下降をしているのがわかります。
メリットその②
トレンド継続期やストロングポイントを移動平均線が教えてくれる場合があります。320日移動平均線がサポートに入った場合、逆にレジスタンスに入った場合は大きくチャートが動くケースが多いです。画像ではどうも伝え辛いので後の記事で説明をしたいと思います。
メリットその③
エントリーをする際に移動平均線を利用をする失敗が少なくなります。ロングにしてもショートにしても20日移動平均線に寄ってき際にエントリーと言う指標にもなりますし、実体が20日移動平均線の下に入りデッドクロスをしている場合はショート、実体が上目に入りゴールデンクロスをしている際はロングと言う指標にも出来ます。※直近高値安を更新をしているなど一部条件が付いてきます。
※他にも色んなメリットがありますが、取り急ぎこの3つに絞りたいと思います。
移動平均線のデメリット
メリットがあればデメリットもあるのが常です。そのデメリットを紹介したいと思います。まず一つに移動平均線を見すぎてローソク足やチャートの形がおろそかになってしまう事です。移動平均線が幾ら有能なインジケーターであろうとも後追いの指標です。移動平均線でチャートが動いている訳ではありません。移動平均線の配置ばかりを見ていると痛い目にあいます。チャートの形やローソク足、上位足や下位足のバランスを見てトレードをするのが一番です。意識するところは移動平均線ではなくチャートです。それを理解していたら特にデメリットになる事はないんじゃないかと僕は考えます。
ゴールデンクロスとデッドクロス
ゴールデンクロスとデッドクロスを説明したいと思います。
ゴールデンクロス
短期移動平均線が中期移動平均線、長期移動平均線を下から上に突き上げる形でクロスをする現象のことを言います。短期移動平均線が中期移動平均線をクロスしたときが買いシグナルと言われています。僕個人的には一般的なゴールデンクロスの他にSMAとEMAがクロスをした時点でもゴールデンクロスの表現を使います。
画像は2020年5月中旬のユーロ円4時間足チャートです。20日と120日移動平均線がゴールデンクロスをきっかけに高騰を見せています。
画像は2020年3月下旬のユーロドル4時間足チャートです。20日SMAとEMAのゴールデンクロスから上昇をしているのがわかります。
デッドクロス
ゴールデンクロスの真逆です。短期移動平均線が中期移動平均線を上から下にクロスをする現象のことを言います。デッドクロスをしたときが売りシグナルと言われています。僕個人的にはゴールデンクロスと同様、SMAとEMAのクロスもデッドクロスと呼んでいます。
画像は2020年1月中旬のユーロドル4時間足チャートです。20日と120日移動平均線のデッドクロスよりチャートが下目に変わっているのがわかります。
画像は2020年3月上旬のユーロドル4時間足チャートです。20日SMAとEMAのデッドクロスより下降をしている事がわかります。
※画像の移動平均線:ピンク20日、緑120日、赤320日、黒600日、プラム980日を利用しています。
このクロスで勝ちトレーダー確定じゃん!
僕も初心者のときはそう思いました。が、チャートはそんなに単純なものではありません。あくまでシグナルとする事が有効なんじゃないかと思います。仮にダブルボトムが完成をしそうなとき、ゴールデンクロスまで待っていたらエントリーが遅くなってしまいます。ゴールデンクロスの前にエントリーが有効的でしょう。他にもゴールデンクロスをしたからと100%上がる訳でもありません。上がる為の条件を満たしていなければ、トレーダーも反応をしない為、ゴールデンクロスやデッドクロスだけをエントリー基準にするのは如何なものかと僕は思います。
何日の移動平均線使えばいいん?
一般的には5日、25日、75日の3本を利用すると書いているサイトが主です。日本株ではこの3本が有効的な感覚は覚えますが、FXでこの3本はハテナが残ります。どの移動平均線を利用しなければいけないと言うルールはありません。ご自身のトレードに合う移動平均線を利用をするべきだと思います。
僕のように色んな日数の移動平均線を利用している人もいれば、短期・中期・長期の3組だけを利用している人、200日移動平均線1本だけを利用している人もいます。ご自身の勝ちトレードになる移動平均線を利用すべきではないかと思います。ただ一つ。自身のトレードを迷わせてしまう移動平均線は利用すべきではないと僕は思います。
僕はこれ!
僕個人的な事を書いて申し訳ない。僕が利用をしている移動平均線をご紹介したいと思います。僕は20日、120日、320日、600日、980日のSMAとEMAを1組として5組を利用しています。他の方に比べると少し多目です。多いときは200日、475日の移動平均線を利用をしていました。
理由としては4時間足を監視足とした際、120日は日足の20日移動平均線、600日は週足の20日移動平均線、980日は日足の200日移動平均線に相当をします。320日は15分足を監視とした際に4時間足の20日移動平均線に相当をすると発見をし利用をしていたら、トレンド転換の際には必ずと言って良い程に絡んでくる移動平均線だった為に利用をしています。
980日移動平均線に際し、日足や週足では200日移動平均線は非常に意識をされる印象ですが、逆に下位足の場合はあまり意識されない印象があった為に200日移動平均線ではなくあえて980日移動平均線を利用しています。良ければ参考にしてみて下さい。
移動平均線は間違った使い方、間違った指標にしなければ相当心強い味方になると僕は考えています。個人的な意見にはなりますが、MACDやRSIなどのオシレーターよりは信頼が出来るインジケーターです。ご自身が一番信頼が出来るインジケーターを使うのが一番だと思いますが、その一つに移動平均線を取り入れてみては如何でしょうか!?